眉かくしの霊・その1(まゆかくし の れい) 大正期発表作品大正13年発表。信州は木曽街道・奈良井宿の旅籠に投宿した境賛吉(さかいさんきち)。宿の夕餉で出された鶫料理に因み、芸妓と鶫の生き血の不可思議な話を料理人に語り始める―――。 2020.11.30 【鏡花怪異譚】 大正13年発表 信州は木曽街道、奈良井宿の旅館に投宿した境賛吉(さかいさんきち)は、宿の夕餉で出された鶫料理にまつわる不思議な話を、料理人の伊作に話して聞かせる。 芸妓の口元から鶫の生き血が滴るくだりに、伊作は我を忘れた様子を見せるのであったーー。 「弥次喜多」膝栗毛の引用から始まる軽妙な雰囲気が、いつしか薄暗い不気味さにすり替わっていく筆が見事。 関連