高桟敷・その2(たかさじき) 大正期発表作品高桟敷・その1のつづき。 宙に吊られた如くにそびえる高桟敷の御殿。そこにはこの世のものとは思えぬ美しい女と、美女に使える女の童が住まっていた―――。 2020.11.04 ※高桟敷・その1の続きエピソードです 【鏡花怪異譚】 大正13年発表。 夕暮れ時の窪地で遭遇した、宙に吊られた如くにそびえる高桟敷の御殿。 そこにはこの世の者とは思えぬ美しい女と、美女に仕える女の童が住っていた。 うっとりと見惚れる青年教師・木崎時松であったが、ふと崖下の下界を見渡すと、箕と魚籠を身につけて何やらを漁る男がいる。聞くと日々の食(じき)を収穫しているのだという。 得物を集めた箕の中を覗くと、数多の蛇(くちなわ)の鎌首が蠢いていたーー。 関連