2021-02

大正期発表作品

人魚の祠【前編】(にんぎょ の ほこら)

大正5年発表。 「私」と友人の工学士が出席した茶話会の会場には、名も知れぬ真っ白い花が咲き乱れ、濃く甘い香りがあたりを包み込んでいる。 帰りの電車で同じ花の香りを纏った女性と乗り合わせた途端に、工学士の顔色がさっと変わるのだった――。
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紅提灯【全編】(べにちょうちん)

明治45年発表。 四谷見附から番町へと入る通りに鎮座する稲荷堂。真夜中にその境内へと迷い込んだ青年が遭遇する、怪異の物語。幻想的に浮かび上がる夜桜の景色に現れた不気味な老人と、青年に降りかかる思いもかけない出来事の数々。突然現じた美女は神か、それとも魔性か―――。
幻想怪異譚

処方秘箋(しょほうひせん)

明治34年発表。 幼い頃の「私」が体験した、不思議にて恐ろしいはなし。親しくしている近所の娘、お辻の家に泊まりに行く途中の「私」は、怪しげな婦人が営む薬屋の前で躓いて転んでしまう。
幻想怪異譚

紅提灯・その3(べにちょうちん)

紅提灯後編。 魔の世界に翻弄され、心乱れる若者・殿井の前に涼やかに現れた美女。 そこで明かされる恐ろしい出来事のからくりとは——。
幻想怪異譚

紅提灯・その2(べにちょうちん)

真夜中の稲荷堂へと迷い込んだ若い郵便局員・殿井。 御堂の闇から浮かび上がったのは、醜悪な容貌の不気味な老人で———…。