紫陽花(あじさい)

明治29年発表。

薄幸の美少年と黒髪の美女が、夏の野社(のやしろ)で出会う妖しの物語。

継母に虐げられている美少年の健気さが、美しくも畏怖の念を誘う貴女の冷血さを溶かしてゆく。

二者が心を通わせる一瞬のカタルシスが美文調で描かれています。