高桟敷・その1(たかさじき)

【鏡花怪異譚】

大正13年発表。

崖に囲まれた谷町窪地を散策していた青年教師・木崎時松は、墓地の崖下に続く汚い長屋路地に迷い込んでしまう。住人の女房たちに教えられるまま突き当たりの黒板塀に囲まれた寺の抜け道を進むと——

現れたのは崖の頂辺から宙に吊られた屋敷。

回り縁の欄干には、しなだれかかる妖艶な美女が——。        

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