眉かくしの霊・その2(まゆかくし の れい)

※眉かくしの霊・その1の続きエピソードです

【鏡花怪異譚】

大正13年発表。

木曽街道は奈良井宿に逗留することを決めた境賛吉(さかいさんきち)は、宿の母屋から長々と離れた十畳座敷へと通される。

離座敷そばの洗面所からは、幾たび閉めても止まない水音がこだまするのだった。水音がする時間に決まって庭池に現れる料理番。

そして案内された風呂場の湯殿からは、いるはずのない婦人(おんな)の声がする―――。

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