黒猫・その8

【鏡花怪異譚】明治28年発表

黒猫・その7の続きエピソード。

富の市の前に現れた謎の女、お島(しま)。

実は腕の良い髪結いで、新橋の名妓・小俊(こしゅん)の嫁入りに付き従って、この田舎町へとやってきたのだった。

お島は金銭にほだされることなく己の眼力で客を選ぶという、見た目に違わぬ気性の持ち主。

土地の富豪の奥方が髪結いを望むのを袖にして向かったのは、粗末なあづまやであった。

そこに住まっていた人物とは―――。

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