黒猫・その9

【鏡花怪異譚】明治28年発表

黒猫・その8の続きエピソード。

お島が訪れた粗末な家。 住まいの主は、新進気鋭の絵師・二上秋山(ふたかみしゅうざん)であった。

六畳間に所狭しと散乱している家具や道具。 そこに埋もれるように、秋山は伏せっていた。

お島は体調を崩した秋山を見舞ったのである。

気心の知れた様子で、仲睦まじまそうに軽口をきき合う二人。

煙管(きせる)に火をつけて燻らせたあと、お島は秋山に勧めるのだったーーー。

タイトルとURLをコピーしました