幻想怪異譚

幻想怪異譚

龍潭譚(りゅうたんだん)・その3〜かくれあそび〜

龍潭譚その2・鎮守の社(やしろ)のつづき。夕暮れ時にたどり着いた神社の境内では、千里(ちさと)と同じ年頃の子供たちがかくれあそびをしている。「かたい」と呼ばれるこの集落の子供たちと千里とは普段は交流することはない。しかし人恋しさと安堵から、千里は請われるままにかくれあそびの輪に加わる。隠れる者を探す鬼役となった千里が顔を覆って待っていると、いつしか人の気配は消え、滝の音と木々を揺らす風の音がするばかり。黄昏の境内に千里はひとり取り残されてしまう。途方に暮れていると、いつの間にか傍らに美しい女性が微笑んで立っているのだった―――
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龍潭譚(りゅうたんだん)・その2〜鎮守の社(ちんじゅのやしろ)〜

龍潭譚・その1~躑躅(つつじ)か丘~のつづき。躑躅の迷路に囚われてしまった少年・千里。見渡す限りに咲き乱れる赤躑躅から逃れるため、大波のように起伏する坂道を走り回るが、出口が見つからない―――。
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龍潭譚(りゅうたんだん)・その1~躑躅か丘(つつじかおか~)~

明治29年発表。少年・千里は優しい姉の言いつけを肯(き)かずに、こっそりと家を出て遊びに行く。燃え盛るように赤い躑躅の繁みへと足を踏み入れると、五色にきらめく美しい「毒虫」が千里の顔をかすめる。毒虫退治に夢中になり躑躅の迷路を駆け回っているうちに、千里の視界は赤い躑躅ばかりに塞がれて、自分がどこから来たのか、どこへ行けばよいのか道に迷ってしまう―――。
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妙の宮(たえ の みや)

明治28年発表。「妙の宮」と呼ばれる山中の社に夜遅く肝試しに訪れた、美しい少年士官。空まで続くような石段を登る半ばで、懐の金時計が鎖だけ残して消えていることに気づく。
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人魚の祠 泉鏡花【まとめてきく】

【鏡花怪異譚】大正5年発表。利根川流域の池沼で怪しい光景に出会ってしまった工学士の回想譚。「私」と友人である工学士は、東京府下渋谷で開かれた茶話会に出席した。会場の近くには名も知れぬ真っ白い花が咲き乱れていた。あたりは燻したような濃く甘い香...
大正期発表作品

人魚の祠【後編】(にんぎょ の ほこら)

人魚の祠【前編】のつづき。桃源郷のごとく幻想的な沼辺で、工学士が目にした風景。靄に包まれた中に現れたのは釣りをする三人の美女の姿だった。
大正期発表作品

人魚の祠【前編】(にんぎょ の ほこら)

大正5年発表。「私」と友人の工学士が出席した茶話会の会場には、名も知れぬ真っ白い花が咲き乱れ、濃く甘い香りがあたりを包み込んでいる。帰りの電車で同じ花の香りを纏った女性と乗り合わせた途端に、工学士の顔色がさっと変わるのだった――。
幻想怪異譚

処方秘箋(しょほうひせん)

明治34年発表。幼い頃の「私」が体験した、不思議にて恐ろしいはなし。親しくしている近所の娘、お辻の家に泊まりに行く途中の「私」は、怪しげな婦人が営む薬屋の前で躓いて転んでしまう。
幻想怪異譚

紅提灯・その3(べにちょうちん)

紅提灯後編。魔の世界に翻弄され、心乱れる若者・殿井の前に涼やかに現れた美女。そこで明かされる恐ろしい出来事のからくりとは——。
幻想怪異譚

紅提灯・その2(べにちょうちん)

真夜中の稲荷堂へと迷い込んだ若い郵便局員・殿井。御堂の闇から浮かび上がったのは、醜悪な容貌の不気味な老人で———…。